• テキストサイズ

明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第3章 黒の時代(本章)


人工林に囲まれた倉庫街
そこにはポートマフィアの武器庫の一つがあった。

「ちょっと治ちゃん!
これ難しすぎない!?」

何故か歩きながらゲームをさせられる私。
拷問失敗の罰だ。
治ちゃんがクリア出来ないところを
クリアするという罰。

「あ!そこ!
そこの急カーブが曲者なのだよ!」

治ちゃんも画面を覗き込みながら歩いてた。


そうこうしているうちに
現場にたどり着く。

「おっはよー皆さーん」

治ちゃんの挨拶で
現場の様子を纏めていた
黒服の構成員たちが一斉に振り向いた。
緊張した面持ちだ。
そりゃあそうだ
五大幹部の一人、太宰治が目の前にいるのだから。
皆は素早く敬礼した。

「治ちゃん待ってよ!
ゲーム押し付けて勝手に行かないで!」

後から遅れて私もたどり着いた。
だが、まだゲームからは目が離せない。

「待ってね今、葉琉ちゃんが難関面をクリアする所だから
ーーあ、拙い、抜かれてるよ!
ほら、ここで爆撃!」

「うそ!?避けるとか有りなの!?」

いまだゲームと格闘中の私と治ちゃんに
何も云うことが出来ない部下たちに変わって
年かさのマフィア、広津柳浪が
おずおずと声をかけてきた。

「太宰殿、萩原殿。
ご足労恐縮です。
武器庫警備の者が討たれました。
状況ですがーー」

「マフィアの武器庫を狙う命知らずは久方ぶりだね!
手口は?」

まだ、ゲームに意識が向いている治ちゃんが尋ねた。

広津さんは死因、盗まれた銃火器等々を流暢に話してくれた。

「出入りを管理する電子暗証錠は
正規の番号で解除されております。
番号の流出経路は未だーー」

「じゃ見てみるよ」

「死体は?」と尋ねて治ちゃんはそちらに向かった。

「広津さん!これお願いします!」

私もゲームを預け
治ちゃんの後に続いた。

いきなりゲームを渡され
後ろで慌てている広津さんをよそに
死体の検証を始めた。
/ 283ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp