第3章 黒の時代(本章)
次の日
私は昨日の出来事を治ちゃんに伝えた。
拷問中に捕虜を自害させるなどという失態を犯し
処罰される覚悟だった。
「なるほどね」
「治ちゃん…太宰さん。
すみませんでした」
素直に頭を下げる。
治ちゃんは少し考えてから
私の頭をぽんぽんと叩いて
「奥歯の毒については
私も気が付かなかった。
今回は許すけど
次は気をつけてね」
笑ってそう言った。
「葉琉ちゃん。
挽回の好機だよ。
今朝、三人の遺体が沿岸に打ち上げられた
詳しいことは移動中に話そう。
付いてきてくれるかい?」
「もちろんだよ」
私と治ちゃんは
部屋を出て現場に向かった。