第3章 黒の時代(本章)
猿轡のせいか
唸るような悲鳴だけが部屋の中に木霊する。
あれから数時間経った。
治ちゃんの部下たちには
あまりの光景に目をそらす者もいた。
まだ15にもならない見た目の少女が
捕虜を何の躊躇もなく拷問しているのだ。
あまりいい光景ではない。
(そろそろかな。
でもまだ、もう少し詰めるか)
最後の攻撃に入ろうとした時
捕虜の男が急に暴れ出した。
「急に元気になったね。
言いたいことでもできた?」
冷ややかな目で捕虜を見ていると
何やら苦しそうにもがいている。
治ちゃんの部下が慌てて猿轡を外そうとした。
「待って!ダメ!」
私の制止は遅かった。
猿轡を外された捕虜はニヤリと笑い言った
「我々ミミックハ
戦場デノ死ノミ許サレル!」
私は直ぐに異能力で抑えつけようとしたが
捕虜は既に、奥歯に仕込んだ毒で死んでいた。