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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第14章 【SS】慰安旅行


「そろそろかねェ」と与謝野がニヤリと笑い、太宰はこれから起こるであろう出来事に如何したものかと考えていた。せめて、今回の標的が自分以外に向かない事を祈る。

「ふふっ。うふふふふふ」

「「始まった…」」

敦と谷崎は先日みた光景を思い出し、直ぐ様離れて行く。乱歩は興味無さそうに食事を続け、ナオミは鏡花の目を塞いだ。葉琉は突っ伏していた上半身を起こしニタァと笑う。

「葉琉、ほら部屋へ戻ろう。送ってくよ」

太宰が葉琉の腕を引いて立ち上がろうとする。葉琉は脚に力が入らず蹌踉てしまい、太宰を押し倒す形で転んだ。

「ふふふ、治ちゃ〜ん」

太宰の頰に右手を添えてゆっくりと撫でる。太宰は苦笑し乍「葉琉は酔っ払うと本当にタチが悪いね」と 呟く。そして、ひょいっと葉琉を抱き上げた。

「与謝野先生、流石に御巫山戯が過ぎますよ。お部屋、お借りします」

「いい余興になると思ったンだがねぇ」

「勝手に抜けた事は謝罪します。葉琉ももう疲れている様なので許してあげて下さい」

与謝野は「仕方ないねぇ」と笑って部屋の鍵を太宰に投げた。気が付くと葉琉は太宰の腕の中で寝息を立てていた。
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