第14章 【SS】慰安旅行
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温泉から上がると女性陣は一度部屋へ戻ってから男性部屋へ向かった。部屋には既に豪華な料理が並んでいる。太宰に手招きされ、葉琉は太宰の横に座った。
「温泉は良かったかい?」
「うん。気持ち良かったよ」
「それは良かった」
太宰は微笑むと葉琉のコップに麦酒を注いでいく。それに気付いた国木田が止めようとするも「一杯だけだから」と渋々承諾した。全員のコップに其々飲み物が注がれ「乾杯」の掛け声で宴会が始まった。
「治ちゃん、何か食べる?取ろうか?」
「大丈夫だよ。葉琉が好きなのお食べ」
葉琉は刺身を一口頬張り、麦酒を流し込んだ。
「美味しー!矢っ張り温泉の後はコレよね!」
葉琉の様子に敦が「葉琉さん、おじさん臭いですよ」と苦笑する。葉琉は「大人になれば判るよ」と返した。