第14章 【SS】慰安旅行
ーー女湯ーー
「あら、露天風呂も有る様ですわね」
ナオミが扉に付いている案内表示を指した。
「行く?鏡花ちゃん」
「うん」
四人は露天風呂へ移動した。
「わぁ、広い」
「なんだィ、貸切かい?」
露天風呂には人が居なかった。折角なので四人で露天風呂を満喫する事にした。
目の前には海とは反対側の山が見えており、眺めは最高だ。柵代わりに竹を結んだ物が隙間なく周りを囲っていた。
葉琉が「露天風呂最高ー」と両手を伸ばした時だ。何かを感じた。葉琉は柵の一点を睨み手をかざす。その瞬間、薄い氷の刃を飛ばし、隙間がある筈ない柵の間に吸い込まれた。
「如何したンだい?」
葉琉の突然の行動に構える与謝野と鏡花。葉琉はいつも通りの表情に戻ると「如何やら勘違いだった様です」と笑い返した。
「猿とかですかね?何か感じたのですが…」