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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第11章 三組織異能力戦争


「初めまして、萩原葉月と申します。葉琉とは双子で私が姉にあたります。何時も妹がお世話になって居ります」

葉月が国木田に挨拶として頭を下げると、国木田も一緒になって頭を下げていた。その後も二人の会話が続いたが、葉琉の耳には届かなかった。

「国木田君」

太宰の声にハッと我に返り、太宰に視線を移した。

「私に用があったのではないのかい?」

「あ、そうだ」と葉琉は何故か声を上げてしまった。其の儘の勢いで国木田の頸元の痣について伝える。国木田も見える様に痣を出した。其れを確認した太宰と葉月は目を丸くしていた。

「葉月ちゃん、此処を頼めるかい?」

「判りました」

太宰は葉月と交代する様に此方にやって来た。

「国木田君、その痣はマフィアの異能者の物だ。発動すると幻覚をみて無差別に周りの者を攻撃する」

国木田は驚きのあまり声が出なかった。太宰は国木田に「兎に角事務所へ」といい連れて行った。

「此処は葉月ちゃんに任せて、葉琉も…」

「私は此処に居る。葉月と話したい」

真っ直ぐに太宰を見つめる葉琉に太宰は何も言わずに降りていった。
太宰と国木田が消えた後、葉琉は葉月の元へ行った。

「葉月、説明が欲しいんだけど」

葉月は空を見上げた儘「先刻言った通りよ」と答えた。だが、葉琉は先刻の話など全く入ってきていなかった為判らない。葉琉は別の質問をする事にした。

「昨日、治ちゃんと逢ってたのは葉月でしょ」

葉月は驚く様子もなく「太宰さんに聞いたの?」と逆に聞き返した。葉琉は正直に「勘」と答えた。その答えを聞いた葉月は「葉琉らしい」と吹き出した。

「相変わらず作戦をちゃんと伝えない人なんだね。これじゃあ葉琉が怒るのも無理ないね。確かに昨日、太宰さんに逢った。でもそれは逢引なんていう可愛いものじゃなくて、今、この瞬間に起きている事への作戦会議みたいなもの。太宰さんは【漂泊者】を遣いたいって言ってきたの。組合はQを使って大勢の人に詛いを発動しようとしてる」

葉琉は暫く考えると「木か…」と呟いた。
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