第11章 三組織異能力戦争
其処は悲惨な状態だった。
葉琉達が到着した時には既に敦、国木田、賢治が倒れており、マフィアの連中と思しき者達も倒れていた。
「葉琉、社に連絡して、与謝野先生へ伝えて」
「う、うん」
葉琉は探偵社に連絡し与謝野先生に準備してもらい、応援を呼んだ。
「治ちゃん、鏡花ちゃんがいない…!」
葉琉は周りを見渡した。そして、鏡花とは違う別の人物を見つけた。
「うそ……姐さん…!」
葉琉は駆け寄って行った。意識があれば斬られても可笑しくないと思った。それでも、駆け寄らずにはいられなかった。倒れていたのはポートマフィア五大幹部の一人、尾崎紅葉だった。
「どうして…姐さんが…」
太宰は敦、国木田、賢治の応急処置を終えると葉琉の元へ駆けてきた。
「葉琉、姐さんも連れて行こう」
葉琉は震え乍、小さく頷いた。それと同時に探偵社で手配した迎えの車が到着した。
「葉琉、マフィアももう直ぐ来るだろう。急ごう」
太宰に促され、探偵社員三人と紅葉を連れて探偵社に戻った。