第11章 三組織異能力戦争
会議室から太宰と国木田が戻って来た。
「お疲れ様」
「葉琉〜疲れたよぅ〜」
太宰は情けない声を出して、椅子に座っている葉琉の後ろに寄りかかる。
「重いよ、治ちゃん」
「おい太宰。そんな事をしている余裕はないぞ」
ぐでぐでしている太宰に国木田は呆れ返る。その様子を構う事なく太宰は「大丈夫、大丈夫」と言った。
「敵意を感じれば私の葉琉がいち早く反応するさ」
「それはそうだが……って何時からお前の葉琉になったんだ」
「この世に生を受けた時からさ」
「国木田君、ツッコむだけ無駄だよ。私はもう諦めてる」
「お前がそんなんだから太宰の暴走が止まらないんだ」
国木田ははぁと溜息を吐く。そして、別の話題を切り出した。
「そうだ、葉琉。谷崎達から連絡はあったか?」
「まだ何もないよ」
葉琉は鏡花がそわそわしている事に気が付いた。
「鏡花ちゃん、治ちゃん達も戻って来たし一緒に敦君達探しに行く?」
鏡花は頷く。葉琉はのし掛かっている太宰を下ろした。
「国木田君、いいかな?」
「ああ、頼む」
「葉琉が行くなら私も…」
「お前は俺と残って仕事だ!」
太宰と国木田のやり取りを横目に、鏡花と共に探偵社を出た。