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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第11章 三組織異能力戦争


突然やって来た客は応接室に通した。三名の内、高級スーツを着こなした何とも偉そうな男が椅子に腰かけた。残りの二名の男女はその男の後ろに構える。
此方は椅子に座った社長の後ろに葉琉が構えていた。
偉そうな男は話しを切り出した。

「会えてとてもとても嬉しいよ。プレジデント・フクナ…フクダ…」

「福沢」

「それだ。ところで、ヘリを道路に停めさせたがまずかったかね?何しろヘリポートの無い会社を訪ねるのが初めてでね」

社長は男の言葉に返答する事なく「外国の方が遠路遥々ご足労でしたな。して用件は」と尋ねる。
同時にナオミが紅茶を出す。

「ほう、珍しいデザインだ。陶磁器は詳しいつもりだったがどこのブランドかな?ロイヤル・フラン?あるいはエル・ゼルガか」

ナオミは「隣の下村陶器店です」と答えた。男は「それは失礼」と一口紅茶を飲んだ。全然話が進まない事に苛々していた葉琉は男を睨んだ。男は葉琉の視線に気付き「随分好戦的なお嬢さんだ」と笑った。

「フィッツジェラルドだ。北米本国で『組合』という寄合を束ねている」

社長は鋭い目付きでフィッツジェラルドを睨んだ。

「貴君は懸賞金でマフィアを唆し、我らを襲撃させたとの報が有るが、誠か」

「ああ!あれは過ちだったよ、親友。まさかこの国の非合法組織があれほど役立たずとは!」

悪びれる様子も無く笑い乍話すフィッツジェラルドに、葉琉は眉を顰めた。「謝罪に良い商談を持ってきた」と傍の男に合図を送る。男は鞄を机に乗せ、開けた。中には札束がギッシリと詰まっていた。
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