第3章 訓練兵初日・朝
朝食を共にしたことでほとんどの主要メンバーと関わる事が出来た。話してみると皆気さくで、絶望的な世界に生きてるなんて感じられない程明るく、生き生きとしていた。
ほぼ朝食が食べ終わった頃、私の隣にドカッと誰かが座った。
「あんたさぁ、何だよさっきの。え?」
ユミルだ。さっきの…?
私にニヤニヤとしながら話しかけてくる。
「もう忘れたのか?大男にぶつかって顔真っ赤にしてたじゃねーか。あぁいうのが好みなのか?」
『!!』
思わず飲んでたスープを吹き出す。
「うっわ、きたねーなユズ!!」
『ご、ごめんコニー!』
み、見られてただと…!?しかも厄介そうなユミルに…まずい!
『そっそそそそんなことはぁ~ないよぉ~?ゴッゴホッちょっとびっくりしちゃってさ…ははは』
我ながら嘘が下手だと思う…スープのせいでむせたし…
「わかりやすいなあんた……」
ユミルも半ば呆れ気味だ…はぁ…
『お、お願い、どうか内密に…っ見なかったことにしてくれないかな…!』
小声で頼み込み、手を合わせる。
こっちに来て早々振られるのだけは勘弁してくださいぃ…!
「あー?そんなん聞く義理私にはないね。しかもあんた、忘れてないよなぁ?昨日ぶっ倒れたあんたら2人をクリスタと運んでやったんだぞ?重かったなーあれは。肩凝ったわぁ…」
そう言いながら彼女はわざとらしく肩を回した。
ひぃ…だから眠りについた記憶がなかったのか…!
『そうだったんだ…!ありがとうございますユミル様ぁあ肩をお揉みしましょうか!へ、へへ』
素早くユミルの後ろに回り肩を揉む。
…全然凝ってないじゃん!!
「気が利くじゃねーか。」
あーニヤニヤしてるし…
早速ユミルに弱み握られちゃったなぁ…
先が思いやられる…
「お、肩揉みか?俺も得意だぞ!」
いや、エレン…いいから…
「エレン、食事中に立ってはいけない。あなたもよ、ユズ。」
「す、すまん…」
『ごめんなさい…』
ミカサに叱られてしまった…
そうして何とか初日の朝食を終えたのであった。