第2章 幸か不幸か
思い出した。私はゲームをやっていて、2つ出た内の1つのストーリーモードを選んだ後からここに居るんだ…
来る事になった原因はわかったけど、やっぱり戻り方はわからない。
メインメニューに戻るなんて選択肢どこにもないよー…
「ユズですね!よろしくお願いします!」
『うん、こちらこそよろしくね、サシャ!』
満面の笑みで私の名前を呼ぶサシャ。可愛いなぁ……かわ、いい…?
待って、ここは進撃の巨人の世界、ならば…!
ベルトルトさんもここに居るって事!?
ベルトルトさんに限らずあの人類最強と言われるリヴァイ兵長とか、エレンやミカサ、アルミン、他の皆も居るって事になる…!
というか今までこの状況に付いていくので必死だったけど、私サシャと話してない!?や、やばい…やばいやばい、感動と驚きでやばいしか出てこない…
巨人に食べられるのは勘弁して欲しいけど、104期生と同期だなんて…!悪いことばかりじゃないなぁ。うん。
今の所は訓練兵として生活しながら、元の世界への戻り方を探していくしかないよね…あわよくば104期の皆と友達になりたいなぁ、なんて…!
「私達、いつまで走らされるんでしょう…もう暗くなって来てますよ…」
『そういえばそうだね…教官は確か、死ぬ寸前まで…走れって……』
いくらなんでも鬼すぎる。
「『もう無理ぃー!!』ですー!!」
2人して叫び、地面に倒れ込んだ。
『ねぇサシャ、お腹空いたしちょーっとだけ調理場覗きに行かない?……サシャー?』
返事がない。上半身を起こしサシャの方を見ると…
わ!ちょ、気絶してない!?ホントに死ぬ寸前まで走っちゃったんじゃないの!?
「サシャ!大丈夫?!サシャー!!」
呼吸と脈の確認。うん、生きてはいる…。生きてはいるけど危ない状態かも知れない、誰か呼ばないと…!
…ん?サシャの鼻がひくついて…