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超大型な彼の元へ 【進撃の巨人】

第2章 幸か不幸か





私はあの例の女の子、サシャと訓練場を走らされていた。
何でサシャもって?…彼女の口の周りに、芋が沢山付いていたからね……


だんだんと思考がはっきりして来て、わかった事が沢山ある。



さっき芋の事聞かれた時に出した私の答え、あれはサシャの台詞だ──!!!



いやまぁ、これはさして重要な事ではなくて…

ここは進撃の巨人の世界としか思えない。
私の着ている服は、訓練兵の制服。それにさっき怒鳴られた男の人はキース教官、そして今一緒に走っているのはサシャ…本人から直接名前を教えて貰ったから間違いない。この場所も見覚えがある。近くに兵舎があるし、訓練場で間違いない…


この状況から察するに、先程の場は訓練兵に入った後の入団式であったのだろう。最悪だ、そんな場面でサシャと芋を食べていただなんて…入団早々ヤバい奴だと思われたんじゃ…!


さっき私がサシャの台詞言っちゃったから少し違うけど、内容としては漫画やアニメでやってた事と同じ。



や、やっぱりここ、進撃の巨人のあの世界だ…!!



どうしよう。私、どうやってここに来たの!?
何してたんだっけ…思い出せない…それに訓練兵って事は、そのうち巨人と戦う事になるだろう…この先の話を知っていればわかる。わかってしまう、何が起きてしまうのか…


怖い、怖い怖い怖い


私死ぬの?死んだら元の世界に戻れるの?嫌、巨人に食べられて死ぬなんて!この世界は残酷なんだ、私がいつまで生きていられるかなんてわからない…!


足がガクガクと震えだし、血の気が引いていくのがわかる。



「ハァ、ハァ…だ、大丈夫ですか!?」



『サシャぁ……ごめん、ちょっと疲れちゃったみたい…』


疲れたとは言ったけれど、息は上がっていなかった。ずっと走りっぱなしだったのに何で…そんな体力あったっけ…



「私も、もう、お腹が空いてしまって…走れませえぇん……」

そう言って倒れ込むサシャ。


『だ、だだ大丈夫!?』

駆け寄り何とか身体を起こす。


「すみません、ありがとうございます…そういえば、あなたの名前を聞いていませんでしたね。」



私の名前…?

そうだ、私の名前は…



『私は、ユズ・シトラスって言うの。改めてよろしくね、サシャ。』




それは、ゲームの中で設定していた私の名前だった。

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