第14章 月見草 ~人の心~
通話を終えた赤井は従業員以外立ち入り禁止のドアから
見つからないように入っていった。
「ノースホイール側の貸切でキュラソーの記憶を戻すつもりか…。
用意周到だな。」
から事前にもらっていた観覧車内の情報をスマホで確認しながら上へ視線をなげ
作業用の通路を走り階段の方へ
最上階の通路につくと花火の光りが赤井を包み込む
非常用の梯子に捕まり身軽にジャンプしレールの上に乗った。
ゆっくり動いていくレールの下から照らされるライトアップを見ながら
「5色のカードが何かはわからないが
このライトアップの色が交わると発作が起こると言うことか。
奴らはまだ…か。」
そっと暗闇の空を見上げた時
真逆の方から帽子が飛んできそちら側を見ると上着を脱ぎ捨てる安室と目が合う。
赤井秀一を視界に捉えた安室の瞳に確信の色を灯す。
「きたか…」
段々と近づいてくる安室に視線を向けながら聞こえないくらいの声で呟いた。