第13章 月見草 ~思い~
「はぁはぁ……」
外へ出て探すフリをしながらつけていたイヤホンに耳を傾けた。
『阿笠博士がキュラソーのメールを解析し
坊やの指示でキールとバーボンはノックではないと否定のメールをしたようだ。』
赤井の言葉に少し安堵をもらした。
なんとか窮地は逃れるはず、戻るわと赤井に言い
倉庫の入口に行くとウォッカが先に入っていった。
「アニキダメです。逃げられました。」
「ごめんなさい。見つからなかったわ」
ウォッカとカーディナルが同時にくちを開く。
「かまわん
バーボンとキールは後回しだ。
まずはキュラソーを奪還する」
ジンが間を開けずに言い放つ
「しかし病院には警察や公安共が」
「キュラソーは既に病院を出た。」
「ではどこへ」
「え?じゃあどこへ?」
ウォッカとカーディナルの声が重なった。
「行先は東都水族館」
ジンの行くぞ。の一言でベルモット、ウォッカが動き出した。
カーディナルはそのまま動こうとはしないのを見てベルモットが声をかけようとした時
「私はここに残る」
唐突に口を開いた。
「なんのつもりだ。カーディナル?」
疑うジンの問いにさらりと
「私は医者なの。忘れた?」
とジンの横を通り過ぎ倉庫を出て車にある医療キットを取り出した。
チラつかせなからカーディナルは笑う
「勝手にしろ」
何を言っても無駄だと思いそう呟いてジンは車に乗り込んだ。
「ありがと」