第13章 月見草 ~思い~
「キュラソーが伝えてきたノックリストにお前たちの名前があったそうだ。」
ポケットから出した煙草をくわえてそっと火をつけた。
「キュラソー…?ラムの腹心か。」
バーボンの目線は自然とキールに向いた。
キールもバーボンの方へ向いて
「えぇ。情報収集のスペシャリスト」
カーディナルはボックスに足を組み座ったまま目を瞑り話を聞いていた。
何か手を打たなくちゃ…。
「ふんっ。僕達を暗殺せずに拉致したのはそのキュラソーとやらの情報が完璧では無かったからだ。
違いますか。」
人を馬鹿にしたような強めの口調でバーボンはジンと視線を外さずに問う。
近くでウォッカが苦い表情で舌打ちをした。
ジンは「流石だな。バーボン」と楽しそうに笑った。
「ノックリストを盗んだまではよかったけど警察に見つかり逃げる途中に事故を起こした。」
「あげく記憶喪失ときた。」
ベルモットとウォッカが話を続けた。