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この恋の騙し方/安室

第13章 月見草 ~思い~




車に乗り込んだカーディナルは
ベルモットからのメールを見てキールがいる場所へと向かっていた。
人通りの多い道で一旦車を止めタブレットを見ている。

「久しぶりね。カーディナル」
いつの間にかキールが車にもたれ掛かり人の流れを見ながら発した。

「久しぶり…」
そう言いながら助手席を開け相手を招くとキールはそのまま乗り込んだ。

「組織からの命令?貴女が出てくるとは思わなかったわ」

「私も最近だもの。出るよ」

そっと周りをみて車を出した。
2人とも無言だったがカーディナルがそっと冷たい声でつぶやく

「ノックリストが組織に知られた」

真っ直ぐ前を見ているカーディナルの横で息を呑むキール

「カーディナルなぜ殺さないの?」

「容疑だから。逃げたら殺せと言われてる…
でも、なんとしてでも私は阻止するつもりなの」

カーディナルは目をキツくし目的地の方を見つめた。

「……それを話して貴女になんのメリットが?」

「なにも。デメリットだけよね。だって組織に反する行動だもの
でもわたしには私の意思がある。それだけよ」


「そう。」

「絶対死なせない。生きていたら理由はわかるかもね…」

カーディナルはそう言って黙り込んだ。


目的地はすぐそこまでせまっていた


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