第13章 月見草 ~思い~
笑う零の姿が頭から離れずは大切な人を失う恐怖に怯えていた。
「なんとかしなくちゃ…。もう……失いたくないから」
そういいつつも手は動いていて頼れるのはあの人だけだと頭ではわかっていた。
『もしもし?』
電話に出た相手の声に少し安心して息を吸った
「昴…お願いがあるの。零とキールが……」
事情を説明いなければいけないがまだ混乱していて上手く言葉が出てこない
それを察した沖矢はゆっくりと『少し待って下さい。中に入ります』と伝えた。
ゆっくり丁寧な言葉遣いにもやっと落ち着いてきた、途端に
『?よく聞け。』
いきなりの赤井の声にびっくりするが何も言わずに次の言葉を待つ
『FBIから連絡がきていた。スタウト、アクアビット、リースリングが射殺された。と』
意味はわかるな…?と付け足して。
「そう…諜報員が次々と…
ジンから呼び出されてるの。キールを連れてこいって
だから次はキールとバーボンなのね…。でも連れてこいってなんなの…?」
『まだ可能性の段階なのだろう。時間と場所は?』
「2時間後ってさっき…。場所はメールで」
『ここか…。お前はそのままキールを迎えに行け。いいな?』
力強い言葉に「うん」と素直に頷いた。
『動揺を隠せ。』
そう言われて通話が終了した。
「ありがとう。秀一」
呟く言葉を赤井は聞いていない。
は身なりを整え早足で家から出ていった。
感情を隠し目の色を変えて