第13章 月見草 ~思い~
自宅に帰りベッドに一直線に向かい身を投げるように落ちた。
悪い予感はよく当たるほうで。
そっと目を閉じた。
どれくらい目を閉じていたのだろう…。
着信を聞きは険しい目付きでスマホを見た。
ディスプレイにはジンの文字。
きた…。
ふぅと一息つき覚悟を決める。
「何?ジン。送った資料の事?」
相手の声も聞かずに透かさずこちらから発言した。
聞きたくない、と咄嗟に出た言葉だった。
「カーディナル、ラムからの指示だ」
胸騒ぎがする。
それでも…「死ぬまでついていく。」と、言った言葉に嘘はなくて。
2人に言われた「気をつけて」が脳内に響いた。
青い炎は揺らめく
音を立てずに息を飲みジンの次の言葉を待った。
「日本にノックの疑いがある者が2人いた。
2時間後この間お前を呼んだあの場所にキールを連れて来い」
「キール…。もう1人は?」
分かりきっていることを聞く自分自身に内心落胆する。
「バーボンだ。ベルモットが向かっている。逃がしたらわかって…」
「わかっているわよ。了解」
最後まで聞かずに通話を切った。