第12章 月見草
「ベルモット」
何の感情もない声で呼ぶ
「カーディナルじゃない…なぜここに?」
「ジンからの指示で。」
素早くスマホを操作し着信履歴をベルモットに見せた。
「ベルモット…あの人は?」
従業員について行く銀髪の女性を見ながらカーディナルが尋ねた。
そっとカーディナルの視線の先にいる人物を見てベルモットがなんでもないように口に出す
「あら…キュラソーを知らない?てっきりジンから…。まぁいいわ。移動するわよ」
キュラソー
あと人が…。
警鐘が鳴り響いた。
「なにか問題が起きたみたいね。医務室でわかると思うけれど」
横で歩きながら話すベルモットの声と同じ大きさで。
ベルモットが医務室に潜入し後ほどキュラソーが記憶喪失だと知る。
やる事を済ませてはポアロに来ていた。
わかりきっていたが梓しかいず頼んだカプチーノに手を添える
近くの席に子供達と阿笠博士がいて
そっと会話を聞いていた。
コナンからの電話では聞くことになる。
「すたうと、あくあびっと…りーすりんぐ」
「え…。」
酒の名前…。
直ぐにノックリストの人物だとわかった。
バレているかもしれない。
わかっていた、それでも恐怖が体を支配する。
光彦の声が頭に響く。
逃げるようには店から出て行った。