第12章 月見草
「ベルモット…?」
呟きながらそっと物陰から除く
ベルモットの口が動き銀髪の女性はちらっと見回すが列が動いたのと同時に子供達について行った。
それをベルモットは怪訝そうに見送り右耳を押さえ何か言っているように見える
その奥からコナンと哀が歩いてきたのが見えベルモットはカーディナルのいる方向へと歩いて行った
カーディナルの視線の先には移動している子供達と銀髪の女性
嫌な感じが体から離れない。
ぼーっと見ているとコナンの怒鳴り声にハッと我に返り
カーディナルが上を見るのと同時に元太がフェンスから身を乗り出した
落ちる!!
ギリギリの所で両手でつかまるが子供の力ではそう長く持たない。
銀髪の女性はフェンスを乗り越え狭い足場で元太に声をかけていた。
支えきれずどんどん手の力が弱まっていく…。
緊迫した状態の中限界を超え元太が手を離してしまう。
銀髪の女性は咄嗟に判断し緩いカーブの建物の柱に飛び降り
パンプスのヒールでスピードを調節しながら降りていき飛んだ。
気を失っている元太を抱きしめ庇うように落ちていった。
「げん……」
カーディナルは止まった。
ベルモットもいる。
今は組織の人間。そう唇を噛み元太が気がついたのだけを確認すると近くで様子を見ていたベルモットに近づいていく。
違和感の正体を知りたかった。