第12章 月見草
ピンポーン
インターホンを押し瞬く間にドアが開いた。
後ろをチラっと見てそのまま無言で工藤邸へ入っていく。
カチャ
鍵をしっかり閉め無言でリビングに向かう沖矢昴の後ろを早足で着いて行った。
がリビングの扉を閉めると同時に沖矢は振り向き
「誰かに付けられてなかったか?」
と直に問う。
「やっぱりあの爆発はなにかあったのね…」
ソファーに座り沖矢を見上げ少し戸惑うまま瞳を向けた。
「キュラソーが警察庁に侵入した。恐らく目的はノックリスト」
「え。それじゃ!!」
「俺と安室君が追っていた。
爆発とともに、キュラソーが乗っていた車と共に海に落ちて行って行方不明…
だが奴らに情報はいっていると思った方が良いだろう」
淡々と話す沖矢に目を合わせず
驚きの表情が一瞬にして冷たくなる。
「そう…だから空白のメールだったのね。」
近づくなという警告。
と共に生存のメールだった。
「組織が動いた。お前も安室君とは極力接触しない方がいい」
「うん。そうだよね…ありがと」
沖矢を見上げながら強く微笑んだ
それを見ながら沖矢はにカップを置き口を開く
「堂々としてきたな。昔より余裕がある」
ココアを飲もうとカップを口に付ようとするのを止め怪訝そうにソファーに座った相手を見る。
視線を向けられた沖矢はフッと笑うだけだった。
「ココアご馳走様。」
玄関のドアを開けようとするのを止め沖矢の方に振り向いた。
あの後お互い知っている情報を共有していた。
「なにかあれば電話して」
「無茶をしないように。貴女はそう言う所がありますから」
すっかり口調を沖矢昴に戻した赤井秀一を見つめて笑い
は手をひらひらと振りながらドアを開け工藤邸を後にした。