第8章 ハマナス
赤井がいる居間のドアを開け入った。
「あっ…」
沖矢昴の姿はなく短髪になっている赤井秀一を初めて目にした。
ソファーに座ると無言で紅茶を差し出され一口口に含み味わう。
「……はっきり聞く。貴方は何者なの?」
先程の怒りはもうなくただ聞きたい。知りたいとの思いだけで相手を見た。
赤井はチラッとを見て前のソファーに移動し口を開いた。
「俺の名は赤井秀一。
FBIに所属していて組織に潜入していた。ただそれだけだ」
「FBI…。貴方もNocだったのね。そう、だから…」
疑問が少しずつなくなっていく。
「君は降谷零君を知っているんだな。」
貴方もの声に赤井は安室透の本名を出した。
予期せぬ言葉には驚きの表情で相手をみるがすぐに戻り
「私の探していた人。それが降谷零…組織にいるのを知ったのは今日だけれど…」
辛そうに微笑むを見てなにかあったと知り赤井は移動し横に座った。
「本当に久しぶりね。明美がいた頃は明美に私たち引っ張られっぱなしだったもの…。」
「あぁ…そうだったな。」
くすくす思い出し笑いをするを見て赤井も頬を緩めた。
「ねぇライ。私と組まない?」
FBIさえも利用しようとする自分自身に欲深さに呆れた。
それでも零や哀ちゃんを守りたかった。
「哀ちゃんを守りたい。これは誰にも口外しないと決めたの。
零にも…ね。
守れるならなんでもする。それは零や貴方も例外じゃないから」
「わざわざ危険に身を晒すのか?」
冷たく言い放たれたことばに動揺もせず強く頷いた。
赤井はぽんぽんとの頭を軽く叩き「わかった」と伝えた。