第8章 ハマナス
「貴方…誰?」
ニッと不敵な笑みを浮かべて両手で固定しているの腕をベッド上に持っていき片手で両手を掴んだ。
「僕の名前ですか…?」
沖矢は自由になった左手で変声機型チョーカーに触れ
「俺の名を知らない訳ないだろう?」
自ら正体を明かした。
「…………ライ!!」
はその声を聞き怒り暴れるが男性の力にはかなわずただ睨むしか出来なかった。
声が部屋に響く。
「貴方が明美をっ」
ことばを飲み込んだ。
明美と言う言葉を聞き見上げている相手の苦しそうな微笑みに何も言えなくなってしまう。
同じだった。
この人も…
本気だと知っていた。
あの時の楽しそうな嬉しそうな2人の顔が思い浮かび涙を流した。
「手…離して……」
愚図りながらボソッと呟くと赤井はそっと手を離し拘束をとく
と同時には赤井の頬を弱々しく叩いた
すっきりしないまま感情を心にしまい込んで
「ちゃんと哀ちゃんを守ってね」
ここにいる意味がわかりは微笑んだ。
「あぁ…」
返事をすると赤井はから離れて手を差し出した。
首を傾げながら手を握るとぐいっと引っ張られて蹌踉けるが支えられた。
「風呂に行ってくるんだ。まったく傘もささずに」
言われた瞬間ここまで来た意味を思い出しバスローブの姿なのに赤面する
「あ…まさか………」
ふ、と笑みを浮かべる赤井に予想していたことが的中する。
「お風呂貸して…」
赤面しながら睨み
赤井の後をとぼとぼついて行った。
温かいお湯を浴び冷え始めていた身体があたたまる。
「ライが生きていた…」
表に立たないでもいろいろと話は入ってきている
確かキールに殺られたはず…
なにか知っていると確信し新しいバスローブに身を包み早々とシャワールームを出ていった。