第7章 アネモネ
見送りも時間を潰すためにメイク直しに向かった。
「はぁ…」
どっと疲れが襲う。
バレているのだろうと頭を過ぎるが今はそんなことを考えられない
任務に集中しなければ。
組織のために表立って行動することの少ないだがやる時は完璧に、をいつも心がけた
鏡を見ながら赤いルージュを重ね無表情だが唇だけ歪め笑みを浮かべる。
隠すように。
10分くらいメイク直しに時間をかけ会場に戻ると笑顔でバーボンが出迎えた。
「ごめんなさい、あなた。
遅くなってしまって」
バーボンの伸ばした腕に腕を絡め見上げた。
2人はそのまま任務を遂行し
お開きになるまで会場で食事をしながらさまざまな人と交流を深めていき気がついた時には主催者が挨拶をしていた。
「あら…もうおひらきなのね。楽しい時間もあっという間…」
演技じみたように腕時計を確認して言葉を発すると
「あぁ。本当ですね…そろそろ僕達も御暇しようか」
「えぇ。お話ありがとうございました。」
ワイングラスを返し主催者にお礼をいって会場をでた。