第7章 アネモネ
セカンドハウス
久しぶりにきて、ため息をはいた。
「ドレスかぁ…」
借りているマンションの一室に変装用の衣類やドレス等を置いていた。
何十種類の中から落ち着いた赤いオフショルのドレスを選んだ。
「パンプスは黒…。羽織はトレンチコートでいいかな」
ぽんぽんと選んで決め着替えはじめる
「やっぱり似合わないな…」
鏡の前に立ちぼそっと呟いてドレッサーに移動した。
改めて自分自身を確認する。
ベルモットは知っている
そんな代わりがつとまるのだろうかとまたため息をつきメイクをはじめた。
「よし。できた」
姿見鏡でくるっとまわって全体を確認した。
いつもと違うキレイめ系のメイクにブロンドの背中ぐらいの長さのウィッグで
いつもの印象とは程遠い女性となった
ドレスもパンプスもバック、メイク用品までジルに統一し
ウィッグも地毛と錯覚するものを使用
嫌がる割にはすべてにおいて完璧だった。
「くすくすっ完璧とは言わないけど変装だからこれくらい大丈夫よね」
降谷零を探すためにし始めたことももう完璧といえるほど上達していて
愛の力って変な方向にこわいなぁっと他人事のように思う
「早いけど行こうかな…」
トレンチコートを羽織しっかり忘れ物がないか確認して
時間に余裕があるが少しはやめにセカンドハウスを後にした。
寄り道もなにもせずにホテルにつく。
待ち合わせ時間より1時間はやくつき先にクロークに荷物を預けラウンジでハーブティーを頂き時間を潰すことにした。
綺麗なホテルだなぁ
っと思いつつ時計を見ると待ち合わせまで半時間きっていて
まだ時間がある…やっぱりはやく着すぎたかなと心の中で呟く。