• テキストサイズ

この恋の騙し方/安室

第7章 アネモネ




「午前中の診察はこれで終わりです。先生お疲れ様でしたー!」


デスクにあるカルテを整理しながら年下の看護師が終了を告げられはふぅ…と一息つき最後の患者の診断を書き込んでしまう。

「よし終わり。これもお願いします」

カルテを閉じ看護師に渡すと笑顔で受け取りすぐに閉まった。

「紺野さん、お昼休憩そのまま行ってきて大丈夫だから行ってらっしゃい!
あとは次の先生に任せるわ」

「先生午前中で終わりなんですね!わかりましたー」

ぺこっと頭を下げて看護師は出ていった。

1人残りの仕事をさっさと済ませようとデスクに視線を戻す、
と同時にスマホのバイブで着信だと気づく。

通常用にデスクに置いてあるスマホとは別にポケットから色違いのスマホを取り出し怪訝そうにディスプレイを見た。

非通知の文字を疑いもせずに出る。

「もしもし…?」

「久しぶりね…カーディナル」

眉をひそめながら
「その声は…ベルモット?ちょっと仕事中なのに」

別にそこまで考えずに聞き流しながらペンだけを走らせる。

「あら。ご苦労さま?で、ちょっとお願いあるんだけれどいいかしら?」

「ジンからじゃないのね。まあいいけど…用件は?」

「今日夜……ホテルにある人と食事してきて。CNはバーボン。
やることは向こうにすべて話してあるから貴女はエスコートされて食事楽しむだけでいいわ。
詳細は後ほど」

「くすっ何よ。それ、ベルモット貴女のかわりなのね」

「ご名答。じゃよろしくお願いするわ」

通話終わりすぐにベルモットからメールが届く。
詳細を確認しながら私用のスマホでホテル名を入れホテル情報を確認する

「ドレス…いやだな……」
ドレスコードを確認して少しぐったりした。

メール内容には
ある男主催のパーティーに参加しバーボンが情報を探る
と簡単な内容が書かれているだけであとは待ち合わせ場所、時間のみだった。

医師としてのやるべき事を早々に済ませ支度するために病院を出ていった。

/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp