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この恋の騙し方/安室

第5章 コルチカム




「お待たせしましたー!」

スタッフが小さめに作った花束を持ってきた
赤い薔薇に黄色オレンジでラッピングされ赤いリボンで纏められていて

「こんな感じでどうですか?私の勝手なのですが…。
薔薇4本は”死ぬまで気持ちは変わらない”って思いだとおもったので…。
そこに希望の光がさしますようにって黄色メインでブーケ風にラッピングしてみました。」

にこやかに安室を見ながら話すスタッフ。

安室が不意打ちの言葉にきょとんとし次第に笑いはじめた

「あはははっ。ありがとうございます。」

素直に嬉しさが込み上げる。
ずっと暗かった世界に一筋の光。

そっと花束を受け取り愛おしそうに見つめた

「そうですね。本当に希望の光が差したらまたこちらで花束をお願いします。」

「よかった。ありがとうございます」

支払いを済ませスタッフに軽く一礼し店舗を出ていった。



車に乗り込み急ぐように出発した。


希望の光がさしますように…。

言葉が頭から離れない。
ずっと1人だった
ずっと暗闇にいた。

友人と呼べる者さえもう…
誰もこの世界にはいない。

友人を救えなかった僕だけがまだここにいる。
そんな僕が彼女を愛しても良いのだろうか…


「スコッチ…」

ぼそっと呟いた言葉が車の騒音に消えていった。
見慣れた道。
少しづつスピードを落とし駐車場へ入っていく

エンジンを止めると同時にスマホのディスプレイが光った。
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