第4章 スイートピー
あっ。
見つけたと同時に顔が引き攣る。
毛利探偵事務所の文字。
「なるほど。そういう事…」
なにか納得するものの心の隅に追い込んでポアロのドアを開けた。
カラカラン、
「いら、いらっしゃいませ。カウンター席へどうぞ」
ニコッと安室が出迎え席に案内される。
平日のランチタイムでもそこそこ忙しそうに安室は珈琲を煎れていた。
目の前に安室透として働く姿を笑みを浮かべ愛おしそうに見つめた。
「ランチおまかせでいいですか?」
テキパキと動きながらに声をかけカップを差し出した。
「覚えてくれてたんだね…」
ふ、と安室は笑い珈琲を運んで行った
ホットカフェラテを見て目を細め、
角砂糖を1つ入れ香りを楽しむ。
「お待たせしました!Aランチです」
女性スタッフが奥からランチセットを運んできた。
「わぁ美味しそう!」
「今日は魚介類のトマトパスタですよ。
付け合せのキッシュは安室さん特製なんですー」
完結に説明してまた厨房に入っていった。
「いただきます…」
パスタを1口頬張る。
ボンゴレの風味が口いっぱいに広がり頬を緩めた。
パスタを食べ終え最後に残したキッシュを堪能した。
「ご馳走様でした。」
「お粗末様でした」
ご馳走様と手をあわせて言うと
いつの間にか店が落ち着いていてカップをふいていた安室が話す。
お会計を終えお客がどんどん減り1人になった。