第17章 スパティフィラム
「あ。ついた…」
今はもう見慣れた街並みだが少しだけ、ほんの少しだけ寂しさを覚え
工藤邸の近くのパーキングに車をとめて車を降りた。
大切なものが増えるって大変ね…。
考えても考えてもどうしたら良いのかわからず頭を軽く振って
気づかぬ間に着いた工藤邸のインターホンを押した。
マイクからは応答はなく
少しの間を置いて玄関のドアが開き沖矢が出てきた。
「どうぞ」
その言葉に頷いて家に入る。
パンプスを脱ぎそっと横に移動させようと目を動かした時見知らぬ人の靴が視界に入った。
出してもらったスリッパを履きながら
「呼んだ理由?」と呟く。
ちらっとを見て無言で居間の扉をあけ入るように促した、その表情に危機感がないとわかり気にせずに歩みを進めその後に続くように沖矢が入り
部屋には3人の先客には
なるほど…っとよぎる考えを肯定し視線をそちらに向ける
3人がこちらを見て上司らしき人物がそっとソファーから立ち
「急に呼び出してしまいすまないね…」と声をかけた。
は軽く頭を下げた後
声をかけた男性の元に向かう。
相手が「はじめまして。」と言葉を発しながら
差し出された手をはすぐに躊躇いもなく手を握り返す
ジェイムズは迷いのないに少しばかり驚いた
「私はジェイムズ・ブラック、彼と同じくFBIだ。
そしてジョディ・スターリング、アンドレ・キャメル」
ジェイムズの視線が沖矢からジョディ、キャメルへと動いていくと共に名を呼ばれた2人が会釈した。
もそっと会釈する。
「はじめまして。私は 。
えっと…」
語尾に戸惑いの声が入りちらっと沖矢を見ると聞きたいことがわかっているらしく無言で頷くのを見て堂々と話し出す
「組織での名前はカーディナル。
職は総合病院で医師をしています
これだけかな…。
赤井さんから聞きました。
キールを助けに行ってくれたと…いなかったみたいですがありがとうございました。」