第14章 月見草 ~人の心~
サッカーボールで一瞬止まったように見えたホイールがまた少しづつ動き始めた時
建設現場から大型のクレーン車がフェンスをぶち破り
ホイールの方へ一気に向かっていった。
見なくてもわかる相手には咄嗟に叫んでいた
「キュラソー!」
横を通るクレーン車に叫びが届いたのかキュラソーがこちらを向いて微笑みホイールに向かっていく
ホイールを押し続け傾いたがすぐに戻り
その衝撃で運転席に瓦礫が崩れ落ち無残な形になり
煙に包まれた瞬間にクレーン車は爆発した。
ホイールが止まったのに気づいたのはその後だった。
「き、キュラソー…」
一部始終を見ていたは視線を下にし見ないよう俯きそっと木陰に姿を消した。
すべてが終わる。
そしてそれぞれの道へ。