第8章 ……さよ、なら…?
「何があったの…?」
涙で顔をグチャグチャにしている純々たちに、僕は起き上がって聞く。
「グスッ…っ、5日前の朝、いつものように紅覇様とルナ様を起こしに来て…」
「そしたら、紅覇様がぐったりしていたので、おかしいと思って熱を計ったのです。」
「…ものすごい、高熱で…」
「…ふーん」
全然おぼえてないやぁ。
まだ、微かに目眩がするが…
これと言って、症状が残っているところはなかった。
…え?
もしかして、僕…
「5日間も眠ってたのっ!??」
「スン…はい、目覚めないかと思いましたっ…(泣)」
「…」
ダルいわけだ。
「はぁ…で、何かの病気だったのぉ?」
「病気、というより…紅明様いわく、ただの風邪であったそうです」
「風邪って、そんなに熱でるんだぁ」
「はい。私共も、初めて知りました。」
風邪など、引いたことのなかった紅覇。
初めての体験だった。
「…ま、いいやーどうでも。
それより、ルナは?居ないみたいだけど」
「ルナ様?」
「っそう言えば、お姿が見えませんわね…」
「は?」
3人が顔を見合わせ、僕が驚きの声を発した直後───
「紅覇お兄様ああ~っ!!!!」