第8章 ……さよ、なら…?
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『紅覇…大丈夫っ?』
「っはぁ…はぁ…~っ、ルナ…」
『ずっと側にいるからねっ…?』
息苦しいのか、呼吸が荒い紅覇。
ルナは怖くなり、ポロポロと涙をこぼす。
「紅覇お兄様ぁっ!?」
『にゃっ…紅玉ぅ~…』
勢いよく入ってきた紅玉に、ルナはふにゃりと更に顔を歪めた。
「ルナちゃん…どうしたっていうのぉっ?紅覇お兄様はっ…」
『よく分かんないのぉっ…!』
泣きじゃくるルナを、紅玉は慰めることしかできない。
「何があった?」
『紅炎っ…』
「…紅覇…」
「かなりの高熱です…何かの病気でしょうかっ?」
魔導師も、ルナ同様、涙をこぼしている。
紅覇の部屋は、大騒動だった。