• テキストサイズ

【マギ】僕の猫、撫でてみる?

第8章 ……さよ、なら…?


 
 
~紅玉side~



「…紅覇とルナはまだか?」

「今、魔導師たちが呼びに行っていますよ。」
「珍しいですわぁ、紅覇お兄様はともかく…ルナちゃんまでお寝坊だなんて」

「…いや。
 紅覇も、寝坊などはめったにしないはずだ。

 今日はどうした?」


…本当に、珍しいわぁ。

座っている紅玉と、横に立っている夏黄文は視線を合わせた。

紅炎お兄様も、紅明お兄様も…心配してる…。

表情は変わらないものの、眉間に、わずかにシワが寄っている。
紅玉も、心配でならなかった。


何かあったんじゃ……


「…っ、あの、私──…」





と、席を立ち上がろうとした瞬間。

















バンッ!!!





「紅炎様っ!!」

突然、ダイニングルームの扉が勢いよく開いた。
同時に、魔導師が2人、血相を抱えて入室してくる。


「どうした?」



「っ、紅覇様がっ…紅覇様がっ!!」

「「「っ!?」」」


ガタンッ!とイスを鳴らし、紅玉は席を立つ。
唇と両手が、わなわなと震えていた。



「んだよ、紅覇がどうかしたのかぁ?」
「ジュダル様っ…」

完全に寝坊してやってきたジュダルが、欠伸をして魔導師に聞いた。


「っ紅覇様の体調が、優れていないのですっ…」
「熱が高くて、震えています」

「…~っ、紅炎お兄様っ…」


心配でたまらない紅玉は、紅炎の目を見つめる。

「私っ…紅覇お兄様のもとに行ってまいりますわぁっ!!」

「あ、姫っ!!?」


目に涙を浮かべて部屋を出て行く紅玉を、夏黄文は追いかけた。



「…行くぞ、紅明」

「はいはい。」


紅炎と紅明も、席を立ち上がって部屋を出た。







 
/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp