第8章 ……さよ、なら…?
「…とりあえず、ルナ殿に感染しては大変ですから、彼女を部屋の外に。」
「わかりましたわぁ」
そう言って、紅玉はルナを連れて行こうとする。
『っや、やだっ!紅覇と一緒にいるのっ!!離してぇっ!!』
「ルナちゃんっ…!」
もちろん、ルナは紅覇から離れようとしない。
ずっと側にいると…約束したからだ。
「ルナ、」
『っ…ヒック、ぅ』
「…ルナ、紅覇のことは心配いらん。」
『心配するよっ!!紅覇のこと大好きだもんっ!
どうなるか分かんないだよっ?このままお別れになったりしたら、私っ…』
「安心してください、ルナ殿。
紅覇はそう簡単には死にません。」
紅明は、ルナの肩に手を置き…落ち着かせる。
ポロポロと涙をこぼすルナは、紅覇の頬にキスをして……
『…わかった…』
「…行きましょう、ルナちゃん」
『うん…
紅炎、紅明…紅覇をよろしくね…』
「はい」
「ああ」
まるで、母親のような言葉を残し…
ルナは、紅覇の部屋から出た。