第7章 最悪の事態
苦しい…痛い…
力が入らなくなってきた…。
「そんなにルナちゃんが大事なら…
奪い返してみたらどうなの?」
「…はぁ?」
「まあでも、簡単には返さないわ」
ドッ
『ぁ゙うっ』
「ルナっ!??」
突然、玉艶がルナを地面に叩きつけた。
『ゴホッ、げほっケホ…っ』
酷く咳をするルナに近寄ろうと、紅覇は手を伸ばす。
が…
「簡単に返さないと言ったでしょう?」
「っ…何なの?ウザイんだけど」
荒い呼吸を繰り返しながら横たわっているルナの前に、玉艶が立ちはだかる。
紅覇は、包み隠さずに苛立ちを見せた。
「ふふ…私ねぇ、ルナちゃんのこと、すごく気に入ったの。
綺麗でしょう?
真っ白で…汚れのない "猫人間" …。ふふっ、面白いわ。」
「だから何だって言うわけっ?」
「とっても良いことを思い付いたの。
私……
真っ白で綺麗なこのルナちゃんを、
真っ黒に染めてあげたいと思ったの。」