第7章 最悪の事態
「……」
胸騒ぎがするのは気のせいだろうか?
いや…気のせいであってほしい。
紅覇は、そう強く願った。
「…どこ行ったんだろうねぇ?」
「ルナ殿なら…」
「夏黄文、知っているのぉ?」
紅玉の後ろにいた夏黄文が、口を開いた。
「先ほど、見かけましたよ?」
「え?」
「どこにいたの?教えてよ」
「……それが…」
「はぁっ、はぁっ、」
僕は走り出した。
どこに向かってるかって?
それは──…
"ルナ殿は…中庭に、玉艶様と…"
「ルナっ…無事でいてっ…!」
お気に入りの服が、着崩れているのにも関わらず…
僕は、ルナのいる中庭へと急いだ。
…玉艶……
ルナに何かしたら……絶対に…
絶対に…許さない。