第7章 最悪の事態
紅覇に、絶対に会うなと言われていた人物。
名前は知っていた。紅覇がよく口にしていたから。
でも声や顔は知らない。紅覇が会わせたくないと言っていたから。
紅覇が言うには、偉い人だそうだ。
でも…あまり好きじゃないらしく…まともに話したこともないって。
話す気も、ないって…。
「ねぇ?ルナちゃん」
『っ』
「あなたの顔、見せて?
とっても綺麗なんでしょう?噂は聞いているわ」
…振り向いたら…
紅覇に怒られるのかな?
嫌われるのかな?
それとも…
"そっかぁ"って…理由を話したら、納得してくれるのかな?
「ルナちゃん」
『…~っ』
思い切って…
ゆっくりと、振り返った。