第7章 最悪の事態
『ふんふふんふーん♪』
「あら?ルナ殿…」
『?あっ、白瑛っ!!』
1人で中庭を歩いていると、白瑛と出会った。
優しくて、お姉さんみたいな白瑛が…ルナは大好きだった。
いつも微笑んで、話しかけてくれる。
「どうしたの?こんなところで」
『んっとねぇ、ちょっとお散歩~♪』
「そう。楽しそうで羨ましいわ」
『えへへっ』
クスクスと笑って、私の頭を…正確には、髪を撫でた。
「姉上っ!!」
『にゃっ!??』
ポフッ!
「あら」
『…にゃ~…』
突然聞こえてきた声に驚いた所為か、
ルナの体はまた、猫の姿になってしまった。
…最近、多いなぁ…。
驚いたり、心から感情が溢れたりしたときに、人間から猫の姿に戻ってしまうようになった。
何故、そんなふうになったのか…
紅覇や、紅玉、ジュダル、紅炎、紅明に聞いても、誰一人…原因は分からず。
困ってしまっているルナ。
まぁ、どんなときに猫に戻るのかが分かっただけでも…いいかな。
「どうしたの?白龍」
「いえ、姿が見えなかったので…」
走ってきた白龍と、少し驚いた表情で話す白瑛を見上げる。
「…あ」
『にゃっ!?』
ふと、白龍が下を見て…ルナがいることに気が付いた。
「えっと…紅覇殿の──」
「ルナ殿よ」
「そうでした」
…忘れていたのか。
『にゃあ~…』