第5章 彼女のため
「着いたわよぉ」
『ほんとだ!紅覇のお部屋だあ!』
5分ほど歩いて、紅覇の部屋の前に着いた。
ルナは、嬉しくなって飛び跳ねる。
『ありがとう!ありがとう紅玉!!』
「良いのよぉ。それじゃあ、またね?」
『うん、今度お散歩しようね!』
お互いに笑顔でそう約束して、別れた。
紅玉の後ろ姿が見えなくなり、
ルナは紅覇の部屋の扉に目をうつす。
『……』
分かってる。
紅覇はきっと、今……
だから私が、慰めてあげなくちゃ!
扉に向かって微笑みかけ、ゆっくりとその扉を開けた。
『…紅覇?』