第4章 僕の…猫がっ…
『紅玉ぅ~っ!!!!!♡』
「きゃ!ルナちゃんっ!?」
宮廷内に入った途端、ルナは
買ったばかりのワンピースをひらひらとなびかせて、紅玉に抱き付いた。
いきなりで驚いたのか、紅玉は少しだけ顔を赤くした。
『ただいま!』
「お、お帰りなさい…」
『見て!どう?似合うっ?紅覇が買ってくれたのー!』
「ふふっ、とっても似合っているわぁ」
喜ぶ彼女を見ていると、本当に微笑ましくなる。
「ルナ~、そろそろ…」
「よぉ紅覇!」
ルナを呼んだ瞬間、それを遮るかのように
ジュダルに呼ばれた。
後ろにいるジュダルの方を、紅覇は仕方なく振り返る。
「ん、なにー?」
「…あ?誰だアイツ」
「?ああ、彼女は───」
紅玉とルナの方を見て顔をしかめるジュダルに、紅覇は"昨日まで猫だったルナだよ"と言おうとした。
が…
『あ゙ゔっ…!!?』
「きゃっ!?」
「っ!?ルナっ!!!」
あまりにも一瞬すぎて…反応が遅れる。
ジュダルくんが…
ルナの心臓あたりを目掛けて飛ばした氷の矢が、
ズレて彼女の肩に突き刺さった。