第4章 僕の…猫がっ…
「ルナっ、ルナっ!??」
急いで近寄り、血まみれになって倒れた彼女を抱き寄せた。
名前を呼びながら、意識があるかどうかを確かめる。
「ルナっ、返事して…っ!!」
「…っ」
紅玉も、いきなりの出来事に驚いたのか、口に手を当てたまま立ち尽くしている。
ルナ、ルナっ…
知らず知らずのうちに、視界が歪んでいく。
「っ、ルナ、ちゃんっ…」
細い指を震わせながら、紅玉もしゃがんでルナの頬に触れる。
「は?ルナ?」
騒然とする周囲に紛れて、離れたところにいるジュダルの声が微かに聞こえた。
でも今は、それどころじゃない。
「ねぇルナっ、聞こえるっ!?」
揺さぶっても、いっこうに目を開けないルナ。
僕の全身から、血の気が引いていくのがわかった。
目を開かないルナは、時間が止まっているかのように動かないのに…
氷が刺さったところだけは、だんだんとルナの体を凍らせていく。
「ルナっ!!」
「ルナちゃんっ!!!」
紅玉も必死に声をかける。
すると───…
『……──こ……は…?』
「っ!?ルナっ!!」
少しだけ、彼女の目が開いた。
良かった…!