第4章 僕の…猫がっ…
その笑顔を見て、紅覇は顔が赤くなった。
見られないように、片手で隠し…顔を背ける。
「紅覇様、どうかなさったのですか?」
それに気付いた仁々が聞いてきた。
「っ何でもないよ//」
なんて言っても、顔を隠さずには居られなくて…。
まあでも、ルナいないし…
今、純々と麗々を連れて、会計をしに行っているルナ。
彼女がいる方を見ると、その場でも笑っていた。
…可愛いなぁ
無意識に思うようになった紅覇。
猫だったときでも、人間になった今でも…。
ルナはルナで…
僕の可愛い……あれ?
「僕の…なに…?」
最初は、ペットのつもりで飼っていたルナ。
自分は人間で、彼女は猫だった。
でも今は…
彼女も人間。
彼女は…僕にとって、なに?
分からなくなっていた。
すごく…大切な存在になってしまったのはわかっている。
でも……なんだか、それだけじゃ済まされないような気がする。
胸のあたりが、モヤモヤして…
『紅覇っ!』
「…んー?」
『どう?似合うーっ?』
「うん、すっごく似合ってるよぉ」
『ふふっ、嬉しいなぁ♪』
僕の前で、くるくると回るルナ。
スカートとさらさらの髪が、キレイに同時に揺れて…
『帰ろう?紅覇っ』
「そうだねぇ」
僕は考えるのをやめた。