第4章 僕の…猫がっ…
あれから約三ヶ月経った、ある日の夜のこと。
「ルナ~っ!!」
『にゃあっ!?』
ソファの上で毛繕いをしていたルナに、紅覇は抱き付いた。
ふわふわなルナに顔をくっつけ、紅覇は目をつむり、唸る。
「んぅ~っ…気持ちいいよ~ルナ~…」
『にゃあ゙~っ』
明らかに嫌そうな声を出すルナ。
仕方なく、僕はルナを離してあげた。
すると、僕から逃げるようにして、ルナはベッドの上に移動した。
「酷いなぁルナ。可愛がってあげてるのにー」
どうやら、毛繕いをしている最中は、触ってはいけないようだ。
紅覇自身もルナのそばに移動し、寝転がって低い目線でルナを見つめる。
前足で顔をこすり始めたルナを見て、紅覇は微笑む。
「…ルナって、なんでそんなに可愛いのぉ?」
ピコピコと反応するルナの耳を触りながら、小さくつぶやく。
…眠くなってきちゃった…
トロンと瞼が落ちてきて、反射的にそう思う。
紅覇は部屋の電気を消し、布団の中に入る。
「おいでールナ、」
布団を少しだけ捲りながらそう呼ぶと、ルナは毛繕いをやめて、布団の中に入ってきた。
「おやすみールナ。僕が寒くならないように、ずっと朝まで居てねぇ?」
『にゃー』
返事と共に鳴りひびいた、チリン…という静かな鈴の音をきき、ルナの頭を撫でて…
僕は眠りについた。