第3章 僕と一緒に
「ぁ…や、柔らかいんですのね、ルナちゃんって…」
「ふっかふかでしょー?顔とか埋(うず)めると気持ちいいんだよー」
抱かずに、頭や背中を撫でる紅玉。
怖いのかなぁ?
「っ、ルナ…ちゃん?」
『にゃあ』
「っ!?あ、お、お返事しましたわっ!?」
「あっはは!そりゃあするよー。猫だって生き物だもん」
「っ///」
ルナも、紅玉に懐いたようで…
喉を鳴らしている。
「失礼します紅覇殿っ。」
「ん、なにー夏黄文。」
ノックもせずに、いきなり夏黄文が入ってきた。
「っあ、姫!!此方にいらしたのですかっ、探していたんですよっ…!?」
「どうかしたの?夏黄文」
「え?…あ、いえ、特には…」
過保護な夏黄文のことだ。
きっと、居なくなった紅玉を探しに走りまわっていたのだろう。
「…それで、あの…姫君」
「なに?」
「…そちらの、猫は…いったい?」
ルナを撫でている紅玉に、夏黄文は遠慮がちに聞く。
「紅覇お兄様の飼い猫よぉ。可愛いでしょ?」
「え、ええ。そうでありますね」