第3章 僕と一緒に
女官に頼み、ルナのために魚の切り身を出してもらった。
「美味しー?ルナ」
そう聞いても、ルナは無言で魚を食べている。
「そうとうな空腹だったようですね」
「そうみたいだねー。」
紅明の言葉に、紅覇自身も改めて思った。
無我夢中で魚を残さずに食べるルナを見て、紅覇は知らず知らずのうちに頬が緩んでいた。
「気色わりぃ面すんなよぉ紅覇ー」
ジュダルに呆れ顔で言われ、少し機嫌をそこねる。
「…なにー?別にいいじゃん、ルナが可愛いんだからぁ」
「たかが猫だぜ?そこら中に転がってる生き物じゃねーか。この前、町にも余るほどいたしよぉ」
「うっさいなぁ、ルナは特別なんだよ。そこら辺にいる猫と一緒にしないでくれる?」
ルナを侮辱され、紅覇はおもいきりジュダルを睨んだ。
「見てよ、この真っ白でふわっふわの毛!それから、この青い目とかさぁ?綺麗でしょ?だから僕はルナをペットにしたんだよぉ。」
魚を食べ終え、毛繕いをしていたルナを抱き上げ、僕は自分の頭にルナを乗せた。
小さいからスゴく軽い。
「…全部同じようにしか見えねーよ。」
「…」
ジュダルくんの言いぐさに、僕は言葉を失った。
これ以上言っても、無駄だと思った。