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【マギ】僕の猫、撫でてみる?

第11章 ありがとう…。


 
 

ふと、今まで吹いていた風が、止んだ。

この場を沈黙に包み込むように…。



「……」

『……』


「…あ、当たり前でしょぉ?
 今さら何言ってるのさぁ」
『…じゃあ……言ってくれる?』
「え?」

『お願い、紅覇……聞きたい…』


ポロポロとルナの目から、止めどなく涙が溢れてくる。

「…ルナ…?」


どうして泣くのか。
どうして悲しい顔をするのか。

紅覇には、まったく分からない。



『言って…お願いっ…』


起き上がって、ルナは両手で顔を覆い隠す。

『ヒック…ぅ』

両肩が震え、涙がルナのワンピースを濡らしていく。



言って、って……なにを…?


「ルナ、なにを…」
『私のこと、本当に好きっ?』

「っ、好きだよぉ?大好きだよ、ルナのこと…」

『ぅ…ック、ほん、と…っ?』



どうやら、"好き" を言ってほしかったようだ。

答えを見つけられた紅覇は、ルナと視線を合わせるために起き上がった。

そして、今でも溢れ続けているルナの涙を、指で拭った。


「ほんとだよぉ。ルナのこと大好きだし…愛してるよ」

微笑みながら、ルナの頬を両手で包み込み…おでこをくっつける。
ルナも、紅覇の両手首を優しく掴み、微笑んだ。


『うれ、しいっ…』

「おまえは?
 ルナは僕のこと、どう思ってるのぉ?」


『グスッ…大好き…ううん、愛してるよっ…これからもずっと、ずっとずっとずぅーっと…っ!!』

「うん。…僕も、ずっとずっと、ずぅーっと、ルナを愛してる。」

『うんっ』



ルナが頷いた直後…

僕は、ルナにキスをした。



「…まだ、不安なのぉ?」

『っ、ううん、全然っ』


まだ涙で滲んでいる目をこすり、ルナはにっこりと笑った。


「じゃ、寝ようよ。僕、眠くなっちゃったぁ」
『うんっ!…おやすみ、紅覇…』

「おやすみ、ルナ…」



お互いに囁き合い…

そのまま眠りについた。


























その時また

吹き始めた夜風が

カーテンをひらひらと

静かに…静かに…


揺らしていた。




 
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