第3章 僕と一緒に
「紅覇様、失礼いたします。」
「うーん」
女官が、数量のおやつが入った皿を持ってきた。
寝転がっていた紅覇は、ルナを自分の横に寄せてから起き上がる。
皿を見ると、フルーツと饅頭と、…なにこれ?
茶色くて、真ん中に穴があいた変なものがあった。
「これ、なにー?」
「それは、異国で好まれている『ドーナツ』というおやつです。油で揚げて、砂糖をまぶしています。」
「ふーん。」
あまり、美味しそうな感じには見えないけど…
「…ルナ、食べるー?」
『…』
表情を変えずに、顔を横にそらすルナ。
食べないかぁ。
「じゃあ食べてみるよー、僕。」
「どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」
女官は、微笑みながら部屋を出て行った。
「ん、けっこー美味しいかも」
『…』
「…食べるー?」
ジッと僕を見つめるルナに、ドーナツとやらを近づける。
すると、ルナはそのにおいを嗅いで…
『…』
何とも思わなかったのか、またベッドに埋もれる。
「可愛いねぇ、ルナ。」
そんなルナを見て、僕は眠ろうとするルナを撫でた。