第9章 私の一人旅
~ジャーファルside~
「と、いうわけなんだよ。」
「……」
私は、シンの言い訳を聞いて、唖然とする。
「どうだ、俺は悪くないだろう?」
「…ルナが悪いと言いたいのですか?」
「いや、そういうわけじゃないが…」
「なんて酷い…ルナちゃんに罪を着せるなんてっ…」
「ん?ヤムライハ、違うぞっ!?」
「その女癖、何とかしてくださいよぉ、王」
「っ、シャルルカンまで…」
「ルナ、かわいそー」
「ぴ、ピスティ…」
逃げ場がなくなったシン。
ジャーファルは、泣きやんだルナを抱きかかえたまま、ため息を吐いた。
「まったく…あんたという人は…」
呆れるしかない。
「ルナちゃん、一緒にお風呂に行きましょう?」
と、いきなり、ヤムライハがそう言った。
『…お風呂?』
「そう。まだ今日、入ってないでしょ?」
『うん…』
「行ってきていいですよ?ルナ。
その間に、お部屋を "片づけて" おきます」
にっこりと笑って、ルナに言った。
すると、ルナも私に笑い返して…
『…うん、行ってくるっ』
…ああ、なんて可愛らしいのでしょう。
まるで、自分に娘ができたみたいです…
「それじゃ、後はお願いしますね」
「ええ。ルナを頼みます」
ヤムライハとルナを、笑顔で見送った。
「…さて、シン。」
「っ」
「今日からしばらく、ルナには近づかせませんよ。」
「っ、なにっ!?」
「禁酒も、相変わらず続行ですので、そのつもりで居てくださいね?」
「ちょ、待ってくれジャーファルッ!!」
「さ、行きましょう」
涙目で騒ぎ立てるシンを無視して、私はシャルルカンやピスティと部屋を後にした。
ふぅ。
一件落着ですね!