第9章 私の一人旅
~シンドバッドside~
始まりは、数分前のことだ。
「ルナ、元気にしてるかい?」
『あ、シンだ!』
最近、よく寝ているルナの部屋に、
暇つぶしをしに行った。
寝ているかと思ったが、運よくルナは起きていた。
『どうしたのー?』
「いや、特に用はないんだ。
ただ…暇つぶしをね。」
『?シン、暇なの?』
「そうなんだよ」
…暇、ではないんだけどね。
仕事はあるんだけどね。
いやぁ…ジャーファルに苦労をかけてばかりだな。
「というわけだから…ルナ。俺の暇に付き合ってくれないか?」
『うんっ、いいよー』
さっそく、2人で遊ぶことになった。
『…ふあぁ~…』
トランプで遊び初めて、早くも1時間。
ご飯を食べ過ぎたせいか、それとも別の理由か…
ルナは、手札を持ったまま欠伸をした。
「…眠いのか?」
『んー…』
瞬きが遅いルナ。
…やはり、美しい。
「さて、次はどういこうかな…」
俺がカードを出す番が来て、手札を見つめる。
「…ん?」
気づくと、目の前にいたルナが横たわっていた。